ショタ小説 -少年の戸惑い-

少年の恋に戸惑う心を綴ったフィクションです。登場人物は全て仮想の人物であり、実在する人物などとは一切関係していません。

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まえがき

こんばんは。イズコーと申します。
今日からショタ小説、要するにBL(ボーイズ・ラブ)小説を綴っていきます。毎日の投稿はできないかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

タイトルからも察するとおり、僕はショタです。
自分のこういう一面を自ら見つめる、という意味でも小説を書こうと思い至りました。
まとまった文章は今まで書こうとしたことはありましたが、大抵途中で投げ出してしまっていました。今回はブログということで、ちょっとずつなら書いていけるかなと思い、こうして登場しました。
何せ初挑戦なので、いたらない部分も多いと思いますがご了承ください。

なお、これから綴っていく内容は全てフィクションでありまして、実際僕がした行為ではありません。また登場人物もすべて仮想です。
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  1. 2007/04/22(日) 01:47:20|
  2. The Puzzled Boy
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第一部

 僕の名は五十嵐龍一。今年から中学一年生。性格はよく明るいって言われてる。ルックスは自分でも言うのはなんだけど、悪くはない。小学生のころから野球をやっていた。そのおかげか、小学生のときからわけの分からないヤツ、というふうな見方はされていなかった。成績も上々。
 端から見れば普通の野球少年だろう。

 でも、僕には誰にも言えない秘密があった。

 それは……、同級生の男の子が好きだってこと。
 自分でもおかしいのじゃないかって思ってる。でも……、好きなんだ。

 それは小学5年生の終わりごろ。
 彼―当時同じクラスだった篠崎信也―にときめいてしまったんだ。流れるようなさらさらの髪と、大きな目。僕より少し背が低く、声変わりしていない声は澄んだように高い。何故だかその日、小学1年生のころからの付き合いなのに、初めて、彼を前にして心がドキッとしたんだ。
 今でもよく覚えている。

 それが、これから始まる僕の奇妙な恋の序章だったんだ……。


 今日は中学校の入学式。
 僕の家からそう遠くないこの公立学校には、私立に進む以外の僕が通っていた小学校出身の生徒と、となりの小学校出身の生徒が進級する。ようするに半分が顔なじみの生徒、もう半分が見ず知らずの生徒ということになる。

 開式の前に、体育館の壁にクラスが掲示される。その前は人だかりになっていた。
 見事な桜が脇に植わる中学校の校門をくぐると、僕の「好き」な篠原信也が駆け寄ってきた。
「龍一! 同じクラスだよ!」
「本当に!? 中学でもよろしくね」
 僕と彼は小学校5,6年生の時も同じクラスだった。僕は内心天にも昇るような気分だった。

 式後、生徒は各教室に入った。
 窓側から出席番号順(苗字のあいうえお順)に席があてがわれている。一列に6席、それが6列あるから、僕のクラスの人数は36人。
 僕は窓側の列で、前から3番目。偶然苗字がカ行の生徒が一人しかいなかったので、僕の右斜め前が信也だった。
 やや長めの髪の毛のせいか、彼の後姿は女の子のようにも見える。さっきも言ったように、クラスの半数の生徒は始めて会う人間なので、彼は同じ小学校出身の僕をよく振り返る。

 今月いっぱいは、「恋人」の姿を眺めていられそうだ。


 同性愛……。
 僕はいままでそれを軽蔑していたかも知れない。でも今は、僕自身が同性愛者になってしまった。こんなこと、他の友達や家族に知られたら気持ち悪がられるに違いない。
 やっぱり僕はおかしいのじゃないか……?

 学校にもだいたい慣れてきたある日、僕は部活(もちろん野球部)から帰ってきて、あれこれと考えていた。
 脳裏に信也の笑顔が浮かぶ。
 彼は本当に「可愛い」という形容がぴったりの少年だ。小学校の入学式の時でさえ目を引く美少年だった。時々彼がスキンシップをはかってくるときなんかは、華奢な体を抱きしめたくなってしまう。

 彼は僕を小学生の頃からの「親友」として見ているだろう。もしこの気持ちがばれたら、嫌われてしまうだろうか。彼とは「親友」のままでいいのじゃないか。
 でも、やっぱりこのままではじっとしていられないように感じる。

 僕は思いっきり頭を振った。
「このままでいい」
 声に出して言ってみた。
 僕は机の引き出しから、以前漫画のグラビアから切り取ったある人気女優の水着姿の写真を取り出した。家族に見つからないように隠し持っていて、いつもこれを見ながらマスターベーションをしている。

 男同士で恋するなんて、どうかしてる……。

 僕はいつものように、写真の局部に集中しながら自慰行為にふけった。


 翌日。
 信也には今までどおり振舞おうと決めて登校した。教室に入ると、彼はすでに来ていた。

「おはよう、龍一」
「おっはよー」
 彼が笑顔で挨拶した。何か落ち着かない気分になったが、平静を装い返した。彼は教室の外に出て行った。

 ――いつも、この笑顔に癒される――

 僕は頭を振って席についた。
 僕はホモなんかじゃない……。
 わざと視線を女子のほうに向けた。
 同じクラスには、僕が見て可愛い子が何人かいる。僕は教室の隅にかたまっている女子たちの魅力を見出そうとした。

 スカートから伸びる綺麗な足、膨らんでいる胸、愛らしい顔……。
 彼女たちの裸を想像してみた。
 すでに表れ始めている女性のライン……。
 股間が熱くなってきた。

「龍一、一時間目の授業って何だった?」
 信也が教室に戻ってきた。
「う、えっ? あぁ、数学だよ……」
 ありがとう、と言った彼の笑顔は、やはり可愛かった。
 始業のチャイムが鳴った。


 女性に興味がないわけではなかった。ときどき雑誌などでみる女性の裸体には興奮する。
 しかし、同時に少年の体にも興味があった。何も信也にだけではない。街中で美少年とすれ違えば、思わず目で追ってしまう。

 ――異性愛と同性愛の狭間――

 そんな微妙な位置に僕はいるのだろうか。しかし、信也に対する想いは確実だった。
 たとえ同性愛を自ら否定しようとも。
 ここのところ、マスターベーションは同級生の女子とのセックスを思い浮かべながらしている。自分を正当化するために。街を歩くときでも、なるべく可愛い女の子を捜すようにしている。

 ……これが普通なんだ。

 射精の直後、妙な寂しさを感じることがある。
 愛しているものを突き放しているが故に、それを強く求める気持ち。全てを吐き出した硬いものがしぼんでいく途中に、信也の笑顔が浮かぶときもある。
 僕はそれらを振り払おうとして、無駄に疲れているのだろうか。


 かなりクラスに馴染んできた。
 男女ともによく話もする。授業中にはそれなりの発言もするし、まぁまぁ印象はいいと思う。
 信也の方も活発なキャラクターが定着しつつある。僕はどちらかというと大人しいキャラクターだろう。
 結構女子からも話しかけられるが、だいたいは落ち着いて応対している。

 信也が他の友達と仲良く話しているのをみると、ある種の嫉妬を感じるようになった。
 もちろん僕に対しては今まで通りだが、なぜか悔しくなってしまう。

 もっと僕に近づいて欲しい。
 もっとスキンシップをして欲しい。

 彼に新たな友達ができてゆくたびに、そう強く思う。
 僕にも新たな友達は着々とできているが。

 複雑極まりない感情は、なおも僕を苦しめるだろう。


 ある日のことだった。
 五月の席替えで席が隣になった辻原里美という女の子に話しかけられた。

「五十嵐君って○○小だよね?」
「そうだけど」
「何部に入ったの?」
「野球部だけど」
「どこのポジション?」
「サード」
「そうなんだぁ。私結構野球好きなんだ」

 彼女は僕が見ても可愛い女の子だった。セミロングの髪の毛はややカールがかかっていて、大きな目は愛らしい。
 その後もよく話をし、ノートを貸してあげたりもした。

 ――僕に好意を持っているのかなぁ――

 最近ではそう思えてきた。
 信也は席替えの際に遠くに離れてしまった。時々彼の声が聞こえるだけ……。

 五月晴れの風に揺れるつつじのように、僕の心はあちらこちらを彷徨っていた。


 そんな日々が二週間ほど続いた。

 五月の末には、中学校ではじめての遠足がある。
 近所のテーマパークを訪れることになっていた。
 総合の時間に班分けをした。女子と男子のグループはランダムに合併されて、一班五、六人のグループとなる。もちろん信也を誘って、同じ班になった。

 里美とも、同じ班になった。

 まさかその当日に、予想外のできごとが起こるとは……。知るはずもなかった。



 遠足当日。
 駅前で班で集まり、電車に乗り込んだ。目的地は学校の最寄の駅から30分くらいのところにある。

 午前は適当に乗り物に乗ったりして楽しんだ。
 パーク内の食堂で昼食を終えると、
「ねぇねぇ、次はあのジェットコースター乗らない?」
 誰かが言い出した。パークの目玉アトラクションだ。
 僕は別に苦手なわけではなかったが、食事のすぐあとだからと言って断った。
「私ああいうの怖いから嫌」
 里美がおどけた風に言った。

「じゃ、二人で待っててね」
 信也を含むたの班員が、僕と里美をおいて楽しそうにアトラクションのゲートをくぐっていった。

「いっちゃったね」
 里美が僕に言った。
「そうだね」
「私、ジェットコースターだけは小さい頃からダメなんだ」
「そうなんだ」
 コースターがゆっくりと坂を登っていく音が聞こえた。
「一つ、言っていい?」
「何?」
「私ね、五十嵐君のこと、好きなの……」
「えっ……」
 コースターがコースの最高点に達し、轟音をあげて急勾配を駆け下りた。乗客の甲高い悲鳴があがった。
 僕の声はその音にかき消された。

「付き合ってくれない?」
 僕の思考回路は一瞬麻痺した。目の前が真っ白になった。
 一度大きく息を吸って、里美の顔をみつめた。可愛らしい顔を真っ赤にして、ややうつむいている。
「えぇっと、その……」
「いい?」
「……いいよ」
 里美の顔がぱっとほころんだ。
「ありがと」

 僕と里美以外の班員が戻ってきた。みんなは僕と彼女の間の空気の変化に気づいていないようだ。
「めっちゃ楽しかったよ」
 信也が僕に言った。
「そう」
 わざと彼の顔を見ずに言った。

 帰宅してすぐ、僕は自分の部屋に閉じこもった。まだ頭がぼうっとしている。
 帰りの電車の中、里美にそっと電話番号が書かれた紙を渡された。その紙をポケットから出し、机の上に置いた。
 告白されるのは初めてだった。
 もちろんうれしい。
 でも……。

 その夜は里美を思い浮かべてマスターベーションに浸った。


 次の日。
 電話で話した結果、毎朝里美と一緒に学校へ行くことになった。待ち合わせ場所は、僕が学校へ行く途中に通る郵便ポストの前。
 僕がそこに着くと、すでに彼女は待っていた。
「おはよう、五十嵐君」
「おはよう」
 彼女は満面の笑みで手を振った。
 僕もなるべく笑顔を保つようにした。

 学校に到着するまで、他愛ない会話をした。学校の先生のこと、友人のこと、好きな歌手のこと……。
 彼女とは気が合わなくもなかった。それに可愛い。
 でも、心に何か引っかかるものがあった。

 ――僕は、彼女を本心から好きにはなっていない――

 そんな気がした。
 まるで、浮気でもしているような気分だった。


 ある日曜日。
 里美とデートに出かけた。今話題の映画を見に行くことになった。
 恋愛もの……。

 隣町の映画館に入った。
 僕は終始スクリーンに集中できなかった。女の子の、あわや肩が触れ合うというほど近くに座ったことがなかったからだ。
 彼女は時々笑ったりしていた。

 映画を出た後。
「面白かったね」
「そう、だね」
 彼女には曖昧な同意しかできない。

「ねぇねぇ、プリクラ撮ろうよ」
「いいよ」
 近くにあったゲームセンターに入った。派手な電子音の群が僕を貫く。色とりどりに瞬く電灯が僕の頭をぼうっとさせた。
 いつの間にか、彼女は僕の手をとっていた。自然と、彼女の手を握り返す。
「これこれ、私のお気に入り」
 おおよそ男性だけでは近づき難い、派手な装飾がされた端末のカーテンをあけ、彼女が僕を招きいれた。
 ここは男の見せ場、と勝手に思い込み、僕がコインを投入口に入れた。

「ねぇ、チュープリって撮ってみない?」
「えっ、それって……」
「そう。チューするの」
「………」
 顔が熱くなるのが分かった。
 彼女は僕の返事を待たないまま、僕の首に腕を巻いて、僕の唇を彼女自身の唇で覆った。
 その瞬間、フラッシュが焚かれた。

……勃起した。

 初体験が重なりすぎている。僕はどうしても戸惑いを隠せなかった。
 彼女はそんな僕をからかうように笑顔で見た。あとで現像されたものをもらったが、僕はどこか間抜けな様子で写っていた。

 家に帰った後、それをもう一度よく見てみた。
 彼女の唇の感触を思い出す。
 また、勃起した。

 ――立派な異性愛者じゃないか――

 それを机の引き出しにしまった。


 僕と里美が付き合っているという噂は、なぜかほぼ学年全体にひろまっていた。毎朝並んで校門をくぐっているのだから、当然と言えば当然か。
 何回も友人たちに冷やかされた。
 僕は特に気にもせず、適当に流していた。信也は、特に冷やかす様子もなく僕に接している。

 里美はといえば、かなり参っているようだった。
 ある朝、
「もう、ほうっといてくれればいいのに」
 とこぼしていた。
 僕は笑って同意した。
「楽天的ね」
 そう茶化された。

 しかし、うしろめたさは消えない。これでいいはずなのに……。



 ある日の朝。
 いつものようにポストの前で里美と合流し、学校へ向かった。いつものように他愛のない話をしながら歩く。
 僕は彼女の体を眺めた。僕よりだいぶ背が低い。スカートから伸びるすらっとした脚は美しい。膨らんだ胸は僕を惑わす。ほっそりとした首。
 そしてなによりも、容貌が素晴らしい。

 ――僕と、セックスしてくれるかなぁ――

 そんな思いが頭をよぎる。
 僕はそれに対して知識が十分だとはいえない。それに、はじめてみる同年代の女性の裸を前にしてはどうしようもなくなるだろう。
 まだ中学一年生だ。
 僕は自分で自分を戒めた。


 時々里美と一緒にいると、上の空になるときがある。僕は本気で彼女を好きになっていないことは明確だ。
 このごろは男の子の方に気がいってしまう。

 こんなことがあった。
 彼女と二人で街を歩いていると、たまたま信也と会った。当然彼も僕達が付き合っていることは知っている。彼は別れ際、祝福するような笑顔で手を振った。

 ――可愛かった。

 僕はぶるぶると頭を振った。
 隣に彼女がいるじゃないか。
 時々彼女も、僕が曖昧な返事をしたときに苛立ちを感じているようだった。僕の彼女に向けている笑顔は、上辺だけのものかもしれない。


 里美との関係は約2ヶ月続いた。
 中学生にしてはいいほうじゃないだろうか。
 突然終止符が打たれたのは雨の日。

 その日は朝から雨だった。
 僕は傘を差していつもの待ち合わせ場所に行った。彼女はすでに来ていた。
「おはよう」
 僕から声を掛けた。
「おはよう……」
 その日に限って、いつもは明るい彼女の声が沈んでいた。
 僕達は黙って歩き出した。

「ねぇ……、もう別れようか」
 彼女が唐突に切り出した。
「えっ、なんで?」
 僕は度肝を抜かれた。
「だって五十嵐君、私のことそんなに好きじゃないんでしょ?」
「………」
 彼女が嫌いというわけではなかった。しかし好きで好きでたまらないというほどの想いでもなかった。それゆえ返事ができなかった。
「いつも私が言っていることがどうでもいいみたいな態度じゃない。私が間違ってたの?」
「……何が?」
「私が五十嵐君のことを好きになったこと」
「そんなこと――」
 彼女が立ち止まったので僕の言葉が途切れた。
「ごめんね。私、五十嵐君に迷惑かけてたみたい」
 とげとげしい口調だった。それ以後、二人とも言葉を交わさなかった。
 黙って校門をくぐり、黙って教室に入った。

 その日は一日中授業に集中できなかった。
 彼女は一度も僕のほうを見なかった。正直言って、彼女に別れようと言われたことがまだ信じられていない。
 心の中がからっぽだった。


 やっぱり、女の子を相手にするのは下手なんだ。そう思うしかなかった。
 考えてみると、小学生の時も女の子と面と向かって、まともに話した記憶が少ない。男子同士ではうまくやっていた。
 気の合う友達は何人もいるし、けんかをしてもうまく仲直りするすべは知っている。

 ――やっぱり、男しか相手にできないのかなぁ――

 ふと信也の顔が脳裏をよぎる。
 恋しい。
 寂しさともつかない感情が胸を締め付ける。

 ――僕は、彼が好きなんだ――

 里美に告白されたときも、この想いが僕を消極的にしていたのかもしれない。


 ある土曜日。
 野球部の練習は雨で中止になった。家には僕以外に誰もいない。
 僕は自分の部屋にノートパソコンを持ち込み、インターネットに接続した。
 検索エンジンが立ち上がる。
「………」
 検索ワードを考える間、指はキーボードの上で固まった。

『少年+オナニー』

 そんな卑わいな言葉を入力するのが自分で恥ずかしくなった。
しかし、頭の中は信也でいっぱいだった。

 ――彼の、自慰行為が見てみたい――

 もはや僕を制止するものはなかった。
 里美に別れを告げられてから、こんなことを考えるようになった。


 検索結果に表示されたうちの、ある掲示板に入った。
 体験記のようなものだった。
 僕はそれらの文章の中で、ある言葉が気にかかった。

『ショタコン』

 ……なんだろう。
 初めて聞く言葉だった。
 別のウィンドウを開き、百科事典のページからその言葉を検索してみた。

『正太郎コンプレックスの略。女性、あるいは男性が幼い男の子に対する愛情を抱くこと。いわばロリコンの対義語。』

 ……ロリコンの対義語。
 大抵は成人男性を指すと聞いたことがある。
 僕はその「ショタコン」に入るのだろうか。同年代の同姓が好きなら「ゲイ」なのではないだろうか。
 首をかしげながらも、『ショタコン』というキーワードで検索を進めた。


「ショタ」を取り扱うサイトにたどり着いた。画像掲示板に入ってみる。
「………」
 そこには、裸で抱き合う二人の少年や、自慰をする少年、アナルセックスをしている少年などの画像が投稿されていた。

 ――勃った。

 求めていたのはこういうものだったのだろうか。嫌悪などまったくない。
 僕はむさぼるようにそれらの画像を見た。リンクから他のサイトへも飛んだ。

 ――意外と、こういうのが好きな人が多いな――

 投稿数が1000を越える掲示板もあった。
 「可愛い」少年を愛しているのは僕だけじゃない。たとえそれが異常だとしても、僕一人だけではない。

 気がつくと3時間が経過していた。


 僕はゆっくりズボンをおろした。僕の性器はすでに硬くなっている。
 パンツにくっきりとテントができている。パンツの裂け目からそれを出した。
 僕はもう一度パソコンの画面に目をやった。
 同じ年くらいの少年が、全裸で自慰行為をしている。顔はつくったのかどうかはわからないが、快感にゆがんでいる。そのいやらしさが僕を一層興奮させていた。
 我を忘れている僕には、その少年が愛しくて仕方なかった。
 カウパー氏液があふれている。
 僕はおもむろに自分の性器を握った。冷たい手の感触が性器に、手に性器の温かい感触が同時に伝わり、一瞬身体が震える。画面に集中しながら、ゆっくりと手を上下に動かした。
 この少年は、一体何を想像しながら手淫にふけっているのだろうか。
 いろいろな妄想が僕の頭の中を駆け巡る。

 同性との、セックス……?

 この少年は僕と同じ感情を、頭の中でその愛しの少年にぶつけているのだろうか。
 僕は手の運きを速めていった。

 ――この少年が、可愛い――

 自らの淫らな姿を省みず、ただ感情のままに自らを慰める。
 奇妙な共感があった。

 この少年も男の子が好きなんだ……。

 もちろんそんなことは画像を見ただけではわからないが、なぜかそう思い込んでいる僕。今は、ただ目の前にいる少年と同時に行きたかった。
 「ショタ」の世界へ……。

「……っ、は……」
 限界が近づいていた。目の前に白い霧がかかる。
 今の今になって、自分がティッシュを用意していないことに気が付いた。
 しかしもう遅い。
「うっ……」
 僕は性器の先端に手を添えた。
 そして次の瞬間に、熱いものがびゃくびゃくと手に勢い良く注がれるのを感じた。
「はぁ、はぁ……」
 頭の中が真っ白になった。自分が手に何を持っているかも考える余裕がなかった。
 僕はそのまましばらく動けなかった。


 次の週の月曜日。
 いつもどおり一人で登校した。里美と一緒に行かないようになって久しい。
 しかしそのことはもはや僕にとってはどうでもよかった。

 ――僕の恋人は、信也だ――

 そういう思いが強くなっていた。
 同性愛=気持ち悪いという概念は僕の中から消えかけている。誰を好きになろうと、僕の勝手じゃないか。

 席に着いた。
 すでに席替えは何度かしているので、彼は僕の席から遠い。
 しかしかまわなかった。彼の声が聞こえていればいいんだ。


 授業に身が入らない。
 このところ頭は信也のことでいっぱいだった。

 ――彼も、オナニーをしているんだろうか――

 そんなことばかりだった。
 「ショタ」と出会ってから、僕は毎日のように男の子のことを考えながら自慰にふけっている。前々から少年について何かしらの感情があったが、今それが明らかのものとなっていた。


 ある日。
 信也に話しかけられた。彼とは部活も違い、話す機会が減っていたのは事実だった。それ故に、しどろもどろな態度になってしまった。
「龍一、数学わかんないから教えてよ」
「えーっと、いいよ」
 僕を頼ってくれるのが嬉しかった。もはやどんな形であれ、彼と接していたかった。
 彼がわからない教科書の部分を開けてる間、彼の顔を気づかれないように眺めた。漆黒のやや長いさらさらした髪が、下に垂れている。
 彼はよくそれを鬱陶しそうにかきあげていた。その仕草が可愛かった。
「えっと、ここ」
 彼が目当ての部分を開けて顔を上げたので、もろに僕と目が合った。彼はどうしたの、というような表情になった。
 僕は一瞬気づかれたと思ったが、
「いや、えっと、これはyとxが―」
 ごまかした。

 僕が教えている間、彼は真剣な顔をしていた。
 その顔にもただならぬ感情がはたらいてしまう。


 ある週末。
 例によって自室でパソコンを開いた。
 いつものように「ショタ」に関連するワードで検索する。
 あるサイトにたどり着いた。それは同性愛、主にゲイについてのサイトだった。

『社会にはいまだ、同性愛についての差別がある』

 そう書いてあった。
 おそらく僕もその加差別者に含まれていただろう。

『“愛”に性別は関係ないのではないだろうか。好きだからその人を好きになる。これは人間の本能なのだ』

 説得力のある文だ。
 これまでしばしばショタ画像を見てきたが、キスをしあったり、絡み合ったりしている少年達は、いやな顔は決してしていない。

 ――僕が信也を好きになるのも、自然なことなんだ――

 そんな確信が生まれた。
 なにも自分で自分を否定する必要は全くない。自分の感情を受け入れられるからこそ、恋ができるんじゃないのか。


 ある日の夕方。
 野球部の練習は思いのほか楽だったので、家に帰ってからもあまり疲れていなかった。
 頭はここ最近信也のことばかりだ……。学校では相変わらずの関係ではあるが。
 しかし、もはや彼は僕の性の対象となってしまった。

 ――同性愛で、何が悪い――

 自分の部屋に入り、ドアに鍵をかけた。階下では母が夕食の準備をしている。
 誰もあがってこないことを確認して、ズボンをおろした。僕の性器はさきほどから勃起している。いつものように、左手でそれを握る。
 彼の、自慰行為を思い浮かべた。

 ――乱れた彼の綺麗な髪の毛――
 ――やや紅潮した頬――
 ――汗がにじんだ胸元――
 ――自らの快楽を求めて性器を握る、華奢な手――

 彼もこうやって、快楽を得ているのだろうか……。
 僕はどうしようもなく興奮してきた。頭の中の彼と連動させ、僕自身も手を動かす。

 ――彼の射精する瞬間を、見てみたい――

 あの可愛い顔を快楽にゆがませるのだろうか。
 僕と同じように、白い液体を放つのだろうか。
 妄想が僕の頭を駆け巡る。
「っ、は……」
 僕が限界に近づくのと同時に、彼も手を速める光景を想像した。汗が僕の額を流れる。
「うっ、あぁ……」
 そして僕は果てた。
 頭の中の彼も。

 信也を想いながら自慰するのは初めてだった。射精した直後の脱力感と、なぜか寂しさのようなものが僕の胸を満たした。


 あれから信也への想いは一層強くなっていた。
 いつか、この想いを伝えたい。
 でも、そんな勇気が出てこない。
 いくら同性愛を肯定しようとも、彼自身がどうなのかが分からないからだ。いきなり「好きだ」と言っても、彼は困るに違いない。

 このままではどうしようもない。
 しかしなすすべもない。
 僕はここまで彼を強く思う僕自身にさえ戸惑っている。この葛藤、自分自身と彼との葛藤はまだまだ長く続きそうだ。



テーマ:ショタ小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2007/04/22(日) 21:54:28|
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プロフィール

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Author:イズコー
バイの某大文学部生です。少年愛の美学、ショタの文学、美少年と少年美、「艶」の定義についてなど日々考察中。

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The Puzzled Boy - 1
The Puzzled Boy - 2
The Puzzled Boy - 3
The Puzzled Boy - 4
The Puzzled Boy - 5
くらすめいと
二人占め
二人の帰り道
後輩とぼく
一夜限り
My Life is Not Beautiful
仮想現実
格調
風の噂
夏の夜の
呼ばい
待っていた夜更け1
待っていた夜更け2
私解・稚子草子(第五段)
魔性
とぶらひ
Not for Something
慰み
草枕
月光
あの日の水泳
兄弟
夏の孤独
マージナルの手
純淫
王家の砦
春の色
浴衣の少年
幻影
邂逅
奇妙な三人
夏の終わり
Jealousy

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