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ショタ小説 -少年の戸惑い-

少年の恋に戸惑う心を綴ったフィクションです。登場人物は全て仮想の人物であり、実在する人物などとは一切関係していません。

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魔性Ⅷ (再掲 My Life is not Beautiful)

「新しい情報が手に入った」
 部署を出るとき、レイタが僕に紙を一枚手渡した。女は僕がそれを読むよりもはやく、横からひったくった。流れるように文に目を通したのち、女は顔をあげてレイタを睨んだ。レイタはおどけたような表情をした。女はしばらくレイタの右目をつぶすかのように眼光を発したのち、僕に紙を押し付けた。
「背中にタトゥー、か」
 僕はレイタに礼をいい、女と二人だけでワゴン車に乗り込んだ。
 オフィス街の風景を助手席から眺めながら、僕の胸にじわじわと緊張が立ち上ってくるのを感じた。
「本当にいいの?」
 僕は恐る恐る尋ねてみた。仮にも、これから実行しようとしている作戦は不法だった。女は行く先だけを凝視していた。
「他に手っ取り早い方法があるっていうの? ばれなきゃいいのよ」
「でも……、あまり彼を苦しめたくない」
 女は器用にも片手で煙草を取り出し、火をつけた。煙を吐き出しながら鼻で笑った。
「私たちの今回の仕事は人助けじゃないの。余計なこと考えないで」
「彼はきっと、あんなことを望んでいないはずだ。未来ある人生を踏みにじられているなんて……。可哀そうだ。助けてあげたい……」
「あんたのそのお人よしな性格が、いつも足を引っ張ってるってわかってるの?」
 女は僕に氷のような言葉を浴びせかけた。僕は黙るしかなかった。心の中で少年の身の上を考えると、いてもたってもいられないような気分になった。いつの間にか少年を僕自身と重ね合わせているのだった。
 やがて車は見覚えのある風景にのまれていった。

  *  *  *  *

 少年は椅子に腰掛けた僕にまたがっていた。少年は僕よりわずかに背が低いので、向かい合わせの格好では目の高さに彼のほっそりした顎が位置することになる。その口は時折何かを言っているように動いたが、声にはなっていなかった。少し目を上げると、紅潮した頬、通った鼻筋、虚無を見つめる澄んだ目、自ら発した蒸気で湿った髪が耽美を醸す。 僕と少年は、抽象的にも具象的にも「繋がって」いた。互いに全裸体が触れ合い、特に僕の性器は少年の体内を侵している。いや、この場合少年の体が僕の性器を誘い込んでいると言った方が適切かも知れない。 少年は僕の肩に両手を置いて軸とし、体を上下に運動させていた。潤滑液が結合を容易にする傍ら、興奮を掻き立てる音源ともなっていた。
「はっ、はっ」
 運動のリズムに合わせたかすかな息音が、半ば開いた少年の口から漏れる。僕はそっと少年の白い体に触れた。筋肉が発達しきっていない、細い体だった。そのまま腕を回し、軽く少年を抱き締める形になる。背中の小さなタトゥーが、指に触れる。
「兄さん、よくなってきたでしょ……」
 少年は耳もとで自分の体を買った男に囁きかけた。 実際僕の快感の度合いは、確実にはじめより高まっていた。少年の裸体を前にしても興奮を示さなかった僕の性器は、彼の巧みなフェラチオによってあっけなく天を指差した。さらに彼に導かれるまま行為に移ると、甘い感覚が勝手に身体中を我が物顔でのし歩き、僕自身を酔わせた。
「兄さん、いきそうなんでしょ。息が荒くなってきてるよ……」

 僕が服を脱ぐ前に金を渡すと、それまで探るような、鋭い目をした無表情が一変し、良い香りのする毒を秘めた花のような、甘く危険な表情を見せた。 彼の身のこなしはまさに連戦錬磨の技を感じさせる。舐めるような愛撫、包み込むような舌使い、絶妙な腰の動き。僕は無条件で魅了された。

「んっ、んっ」
 少年は僕の射精のタイミングに合わせ上下を徐々に早めた。僕はその少年の幼さが残る、というより幼い顔を見つめた。そして、一瞬その美しい蕾がぼやけ、白みがかかった。
「くっ!」
 僕は少年の体内に、自らの精を放った。少年は尚も搾り取るように、僕の性器を締め上げ続けた。
「っ、流れ込んでくるっ、兄さんの精液……」
 最後の言葉さうめき声に近かった。少年はその刹那、体を硬くした。そして、僕の腹部に熱いものを感じた。

「お前の人生は、美しいのか?」
 少年は服を着る手を止めて、僕を見た。その目には、先ほどの鋭さが戻っていた。
「………」
 少年は黙ったまま僕を観察した。 やがて、小さな声で答えた。
「ぼくの人生は、美しくなんかない」
 わずかなそれを、自ら顧みる言葉は弱々しかった。


「あったの? 例のタトゥー」
 やたらと光を反射する口紅の間から、感情のない声が問い掛けた。僕はうなずいた。ワゴン車の運転席に座った女は、そうと言いながら煙草に火を付けた。
「で、本当に助けるつもりなの?」
 僕は答えないで、助手席から女が灰皿に灰を落とすのを眺めていた。
「あんた、他人の人生を変えられると思ってるの?」
 女は忌々しげに窓から吸殻を捨てた。
「本人が美しくありたいと思うなら、いくらでも」
 僕は副流煙を避けながら言った。女は呆れたように肩をすくめ、車を発進させた。
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テーマ:ショタ小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/07/04(日) 22:44:03|
  2. 魔性
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Author:イズコー
バイの某大文学部生です。少年愛の美学、ショタの文学、美少年と少年美、「艶」の定義についてなど日々考察中。

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