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ショタ小説 -少年の戸惑い-

少年の恋に戸惑う心を綴ったフィクションです。登場人物は全て仮想の人物であり、実在する人物などとは一切関係していません。

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草枕

 どのような言葉を選んだのかは覚えていない。とてもとても突然の出来事だったからだ。とっさに頭に浮かんだ言葉を発したはずだ。どうせならもっと事前から準備しておきたかった。想いを伝える言葉。それでいてお互いを傷つけない言葉。そんな言葉はたくさんあるはずもなく、ややもすれば決して見つけられないかもしれない。そうならば、今みたいに突発的な言葉を使ったほうがむしろよかったのかもしれないか。
 彼のほうを見ると、優しく微笑んでいた。常識的に考えると驚くべきことではあるが、そんなことはどうでもよかった。彼は子どもの成長を見守る母親のような、慈愛に満ちた笑顔を僕に向けていた。顔を傾け、口角を少しだけ上げて、頬をほんのりと赤らめて微笑んでいる。彼らしい笑顔だった。僕は心がじわりと温かくなるのを感じた。そう、この笑顔。この笑顔が一番好きだった。誰にでもなく、僕だけに向けてほしい笑顔。この笑顔を僕だけのものにしたい。そんな独占欲があった。
 彼は少し照れているようだった。それでも僕を見据えていた。うるうるした、大きな目だ。この世の何よりも愛しい目。僕が大好きな目。彼の中でも、一番僕を惹きつけているものだった。この双眸を見るといつも心が安らぐ。僕の心を優しくつかみ、そして抱きしめてくれる目だった。
 彼は受け入れてくれたようだ。ゆっくりと顔を僕に近づけてきた。そして僕の右頬に唇を押し付けた。少しかさっとしていたが、それでもやわらかい唇の感触がじかに伝わってきた。安堵と喜びが胸から体中に散らばった。ほしくてほしくてたまらなかったものが手に入った。そんな思いだった。僕は彼を精一杯抱きしめた。ふんわりと彼の匂いが漂った。石鹸のような、清潔な匂いだ。幼いころから親しんできた、大切な香り。
 今度は僕のほうから彼に唇をささげた。彼の目をまっすぐに見つめながら、彼の唇を覆う。そしてそっと目を閉じた。うっすらとピンクがかった桜の花弁に口付けをしているのだ。はらはらと崩れ落ちてしまいそうなほどもろい。奥に舌を忍び込ませると、弾力のある柱頭に触れる。複雑に絡み合い、互いの蜜が混ざる。
 濃厚なキスのあと、僕は彼を押し倒した。僕たちの衣服は簡単に脱げた。僕はあらわになった彼の華奢な胸に舌を這わせた。薄い胸板は僕の記憶にたがわなかった。両方の突起を交互に愛撫した。優しく、円を描くように。胸の両端に腕を添えると、彼はくすぐったそうに身を少しだけよじった。
 僕はさらに下へと照準を移した。バランスの取れた、一切無駄のない細い下腹部だ。あごの下に彼の性器を感じる。僕の舌の動きに合わせて、ぴくぴくと震えていた。僕は周囲から刺激し、徐々に性器へと近づいていった。
 ついに僕は彼の性器を口に含んだ。すっぱい味が口の中に広がった。僕の知らない部分だった。おそらくは誰も知らない部分だ。今僕はそれを知ろうとしている。僕だけが知ろうとしている。彼が僕にだけ許す部分だった。
 僕は激しく上下運動を行った。上目遣いで彼の顔をうかがってみると、彼はきゅっと目を閉じていた。そして荒い息をしているようだった。だが彼の声は聞こえなかった。彼は頬を赤らめているが、それでもうれしそうに見えた。その姿が艶やかだった。それも僕の知らない彼の姿だった。僕は無邪気に笑う彼が好きだった。しかし、今目を閉じて官能を感受している顔は、少し大人っぽさを伴っていた。これは僕にだけ見せる姿なのだろうか。彼が大人になってしまうのは嫌だった。
 彼の性器が脈動した。僕の口の中に彼の精液が広がった。甘くてやさしい味がした。彼は上気していた。天をまぶた越しに見上げていた。
 ここで僕はようやく自分が勃起していることに気づいた。僕はおもむろに彼の両脇に手をつき、彼に覆いかぶさった。彼が目を上げ、ぬれた目で僕を見上げていた。そして僕に頷きかけた。僕は健気な彼にさらに欲情してしまった。彼とひとつになりたい。ただその想い一つだった。僕と彼がつながればいい。そうすれば彼は、彼は僕だけのものになって……。
 僕は彼に腰をうずめた。彼は一瞬びくっとのけぞって、目を硬く閉じた。しかし彼の体は、僕の性器をすんなりと受け入れえた。
 不思議な感覚だった。暗いイメージがあった。しかし温かかった。彼の体は無数の手で僕の性器を握った。僕はその快感に身を震わせた。僕は彼と一つになった。僕は彼のものになった。そして彼は僕のものになったのだ。彼は涙を浮かべていた。そしてその清らかな水は赤らんだ頬を伝った。
 僕はゆっくりと腰を動かし始めた。ただひたすら彼とつながっていることがうれしかった。押し込むたびに波のような何かが体を伝って広がり、引き抜くたびに僕の体の中の何かが彼の体の中に置き去りになった。僕は泣いていた。彼と同じように、涙が頬を流れた。彼は両手を僕の頬に当てた。やわらかくて温かい手が僕を包んだ。僕の涙はその手をも伝い、彼の裸の腕を降りていった。
 僕は彼と折り重なり、腰を動かしながらも再び彼とキスを交わした。彼は何にも替えがたいくらいに愛しかった。ずっと一つでいたかった。ずっと彼とつながっていたかった。そんな願いも彼は聞き入れてくれるだろうか。彼と離れたくなかった。彼は僕と離れたくないのだろうか?
 ああ、ああ、ああ。僕は頭の中で叫んでいた。彼が恋しくて仕方なかった。絶頂がすぐそこまできていた。
 ああ、ああ、ああ。再び僕は声に出さずに叫んだ。そして射精した。

 まだ僕は泣いていた。泣く必要なんてあったのだろうか。それでも涙が止まらなかった。僕はじっとりとした余韻に浸りながら、雀の鳴き声を聞いていた。
 涙を流す理由がわからなかった。でもなぜか寂しかった。
 それは短い短い、まるで旅の途中で見たような儚い夢だった。

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テーマ:ショタ小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2011/04/03(日) 15:35:37|
  2. 短編
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3
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コメント

お久しぶりです。大学入学おめでとうございます。
少年期の美しさというのは2度と取り戻すことのできないものだからこそ、切ないのでしょうか…。

僕も相手に愛されたい、彼のものになりたいというという感情は理解できます。

お目汚しに体験小説送らせていただきました。それではまた!!
  1. 2011/04/08(金) 13:19:00 |
  2. URL |
  3. 永遠のM少年 #-
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2011/04/08(金) 13:23:13 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

>永遠のM少年さん

お久しぶりです。
お祝いの言葉ありがとうございます!

儚いからこそ美しい、というのは、すぐに散ってしまう桜の花びらにも通じますよね。
非常に美学的です。

せっかくなのに申し訳ございません。
Author欄にあるメールアドレスに送りなさってはどうでよう?
  1. 2011/04/19(火) 19:57:03 |
  2. URL |
  3. イズコー #BHenOeZ.
  4. [ 編集]

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Author:イズコー
バイの某大文学部生です。少年愛の美学、ショタの文学、美少年と少年美、「艶」の定義についてなど日々考察中。

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