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ショタ小説 -少年の戸惑い-

少年の恋に戸惑う心を綴ったフィクションです。登場人物は全て仮想の人物であり、実在する人物などとは一切関係していません。

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王家の砦



 その砦に籠り始めてから、もう幾月もが経っていた。両軍の攻防は依然として均衡を保ち、一向に戦局は変化しない。緊張状態がいつまでも続き、兵士たちの精神にも疲労が見え隠れしている。食糧にはまだ余裕があるが、先の見えない戦いを思うと誰もがため息を漏らさざるを得なかった。
 父の命を受け戦の指揮に参加している王子イリウスは、戦いのさなか十四歳の誕生日を迎えた。彼の身体は日々逞しさをまし、誰の目にも王の第一継承者としての風格が目を覚ましつつあるのが明らかだった。そしてそれにともなって、彼は成長期特有の悩みも抱えているのだった。
 王子といえども、イリウスも少年である。目覚めてから眠りにつくまで、彼の性器は時を選ばず意志を示した。張りつめた戦争中であるにもかかわらず、私的な欲をあらわにすることに、彼は自己嫌悪を感じていた。朝ベッドから出る前に、こっそりと自身の手で解放することもしばしばだった。そのたびに罪悪感にさいなまれていたのだった。
 そんななかでの誕生日である。王家の規則では、十四歳から側室を持つことが許されていた。事実上、公式に女性を知ることができるのである。だが、今は非常事態である。イリウスは当然それどころではないと考えていた。第一、戦場に女は存在しないのである。
 しかし、王家にはイリウスの知らないしきたりが存在した。

 その夜、イリウスは湯浴みをしていた。そこへ側近三人が近づいた。
「王子、お誕生日おめでとうございます」
 中でも最も身近な世話を担当するウィルが、恭しくイリウスに礼をした。湯からあがったイリウスは、双肩から湯気を立ち上らせながら軽く答えた。
「王家の方は、十四歳から婦人と枕を交えることが認められています」
「ああ、知っている。だが今はここにおなごはいぬ」
 イリウスは少し頬を赤らめた。改めてそのことを口に出されると、気恥ずかしさが否めなかった。対してウィルは平然とした口調で言った。
「はい。ですから、私が代わりに」
 イリウスは耳を疑った。
「男の、お前とか?」
 ウィルは敬意を示す前傾姿勢のまま、粛々と答えた。
「はい。王からのお達しです。歴代の王の中にも、側近の慰安を受けられた王がおられると聞いています」
 蒸気にさらされた石の天井から、水滴が一滴イリウスの背中に触れた。彼は戸惑った。しかし、抗議の声を上げる前に二人の側近が彼の両脇に立った。
「っ!」
 二人は手に持った壺の中身を、イリウスの身体に塗り始めた。それはひんやりと冷たく、全身の神経を刺激した。
「王子、そのまま楽になさっていてください」
 衣服を脱ぎ全裸になったウィルが、イリウスの前にひざまずいた。そして否応なしに勃起した性器を口に含んだ。
「ああ!」
 イリウスの声が浴室にこだました。側近に塗られた液体は、彼の身体をひんやりと冷やすと同時に、得体のしれないしびれをもたらした。しかし彼の腰回りだけは以上に熱く、性器はたくましく上を指していた。そしてウィルの咥内が、ねっとりとした吸着感を与え、イリウスの背筋を震わせた。
「ウィル……」
 イリウスの声は震えていた。両脚からはがくがくと力が抜け、彼はその場に倒れこみそうになったが、二人の側近が両脇から彼を支えた。
 ウィルの口淫が始まってまもなく、イリウスは早くも限界を感じた。
「ああっ!」
 ひきつったような声を上げ、イリウスは達した。勢いよく飛び出た精液を、ウィルはすべて口で受け止めた。ウィルの端整な口許からすこしだけ白濁は漏れ出し、白く細い彼の胸元に垂れた。
 あまりにも強すぎる刺激に耐え兼ね、イリウスは側近に全体重を預け、目を閉じ大きく息をついた。射精直後にもかかわらず、彼の性器は勢い衰えなかった。全身の媚薬のせいである。
 ウィルは大理石製の台に横たわり、そして自らの身体にその液体を塗った。たちまち彼の性器も硬く反り立った。彼は鉢巻のような布きれを取り出し、顔に巻いて目を隠した。
「さあ王子、こちらへ……」
 イリウスはそろそろと台にあがり、仰向けに身体を開くウィルの前に立った。
「こんなこと……」
「王子、さあ……」
 ウィルは戸惑う気配のイリウスにかまわず、ひざを立てた。イリウスは気持ちとは裏腹に性欲を主張する自らの性器を見やり、そしてウィルの身体を見た。
「なぜそのようなものを」
「私の用な下賤の民は、王子のお顔を直接見てはなりません」
 下賤とは言っても、王家の従者になるにはそれなりの身分が必要であった。イリウスはそっとウィルの細い身体に触れた。わずかな刺激で、ウィルの身体は飛び上がった。全身が上気し、彼の恥部は赤くなっていた。
「あっ!」
 イリウスは意を決し、ウィルの身体に侵入した。自らの手とは比べ物にならないほどの感触が、彼の性器にまとわりつく。全身の神経がその淫靡な感触に酔いしれた。
 淫靡な感触。腰を振るたびにウィルの身体は震え、イリウス自身の身体も甘い熱を発した。
 甘い熱。二人は絡み合い、肌をすり合わせた。淫らなその液体を介し、独特のなめらかな心地に瞼を閉じた。
 なめらかな心地。体が触れ合うたび、その感情は愛しさへと変化していった。無心に抱かれ、突き上げられて啼く少年はあまりにも妖艶であった。
 あまりにも妖艶。勃起しながら王子の思うままに揺さぶられる少年の、湿っているだろう瞳を見ずにはいられなかった。
 湿っているだろう瞳。イリウスは力なく制止する声をふりきり、ウィルの目隠しを取り払った。目に涙を浮かべ、うるんだ唇から吐息を漏らしていた。
 うるんだ唇。さきほど王子を包み込んでいた唇は、果実のようにうるわしかった。イリウスは思わずその唇にむしゃぶりつき、少年を味わった。
 なおもはげしい運動に、ウィルの勃起は今にも放ってしまいそうだった。
「あっ、あっ!」
 ウィルは呼吸を速め、喘ぎ声を漏らした。その瞬間、ウィルの性器から真っ白な腹部に精液が飛び出した。それは胸を超え、彼の顎にも達した。
 何度も脈動し締め付けるウィルを見ながら、イリウスは動きを停めなかった。
「はあっ!」
 そしてイリウスにも二度目の瞬間が訪れていた。
「あああ!」
 イリウスは雄叫びをあげ、ウィルの身体に腰を押し付けた。一度目にも劣らない勢いで、精液がウィルの体内に流れ込んだ。
 イリウスは射精し終わってもなおウィルから離れず、彼を抱きしめた。二人の息が浴室中に流れだし、その湿度を上げ続けた。
 二人は抱き合い続けた。王子と側近という立場も忘れ、二人は抱き合い続けた。二人の息が収まっても、抱き合い続けた。明日砦が決壊するとも知らずに、抱き合い続けた。



※参考…野阿梓「月光のイドラ」
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テーマ:ショタ小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/01/03(火) 18:14:51|
  2. 短編
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