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ショタ小説 -少年の戸惑い-

少年の恋に戸惑う心を綴ったフィクションです。登場人物は全て仮想の人物であり、実在する人物などとは一切関係していません。

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春の色



 客の少年はハルカに風呂に入るよう言った。ハルカは遠慮を見せたものの、ついに少年の言葉に逆らえず風呂場に向かった。
 古い宿屋の廊下は一歩足を踏み出すたびにぎいぎいと軋んだ。白熱灯の温かい明かりが生む影は、ゆらゆらと幽霊のように薄暗い廊下の床を踊る。急な階段を下り、一階の奥にある木製の引き戸を開ければ風呂場だ。
 もうもうとたちこめる湯気を切り分け、ハルカは一番風呂に入った。ひとしきり湯船からあふれた湯が流れ終わると、風呂場は静寂に包まれた。静かな夜だった。ハルカは仕事前のいつもの緊張感を覚えた。湯につかっている間にその緊張を緩め、着物を着て無心に近づけるのがいつもの流儀だった。
 風呂からあがり、脱衣所に出ると客の少年がいた。
「ずいぶんと気が早いですね」
 ハルカは驚いた風も見せず、体を拭いて着物を羽織った。帯を締めようとすると、ふと少年がハルカの背後にまわり、着物に手を入れてハルカの肩をはだけさせた。
「綺麗な肌だ」
 うっすらと熱をはなつ風呂上がりの肩を見て、少年が感想を漏らした。あくまで自然な動作で首筋に舌を這わす。
「風呂を済ませたらどうですか」
 平静を装いながら、ハルカがぶっきらぼうに言った。自らのやり方のリズムが狂い、少し不機嫌そうだった。
「僕の身体が汚いとでも」
 少年は背後からハルカの唇を奪った。少年の舌がハルカに割って入ったが、ハルカは申し訳程度にあしらうのみだった。
短い接吻が終わると、ハルカは少年を押しのけるようにして部屋に走った。

 冷たい風が雨戸を鳴らした。明かりを落とした部屋で、ハルカは窓の外を眺めていた。この宿屋からは隣家の明かりはおろか街灯すら見えない。いや、見えると困る。情人が人をひそかに迎えるための穴蔵だからだ。
 星は一つも見えない。昼間から立ち込めている厚い雲がまだ居座っているらしい。今夜は雪が降るかもしれない。
 ふと、ハルカの肩に誰かが手を触れた。いつの間にか客の少年が部屋に戻ってきていた。ハルカは驚く間もなく、服を脱がされた。
「ちょっと」
 異を唱える前に、口がふさがれた。少年の舌が控えめに、しかし情熱的にハルカの舌を求めた。ハルカは、今度は素直に少年の接吻を受け止めた。
 長く、熱い接吻だった。いつしかハルカはその場に仰向けに倒れこみ、髪が花のように広がった。少年はハルカにのしかかるように、その唇を吸った。やがて少年の唇はハルカの唇から首、鎖骨、胸、下腹部へと移動した。
「綺麗な肌だ」
 再度少年は熱心な接吻の間に感想を述べた。否応なくハルカの身体は桜色に染まった。
「春の色だ」
 少年はうっすらと毛の生えたハルカの性器を舌で愛撫した。大きく反りかえったそれを少年は執拗に愛でた。急速な上下動にハルカは身悶えた。
「いく……」
 あっけなくハルカは少年の口の中で果てた。二度三度と腰を浮かせ、大量の白濁を射精した。
 すべてを飲み干した少年は一度ハルカから離れた。ハルカは身を起こし少年のものを扱おうとしたが、
「構わない」
 少年はハルカを押し戻し、彼は再び仰向けとなった。
 手早く服を脱ぐと、少年はハルカの脚を広げた。
「高かったろうに」
 ハルカは少年を見ずに言った。
「さあ、それほどでも」
 少年はハルカにゆっくりと押し入った。ハルカはこぶしを握り、畳に身体を押し付けるようにして耐えた。少年は長く時間をとった。時にハルカの肌に触れ、そっと指先でなぞった。ハルカの鼓動に合わせるように、体の線をなぞった。ハルカはそのたびにこみ上げる震えに身を任せ、きつく目を閉じて汗を滴らせた。

 目が覚めると、ハルカは裸で布団の中にいた。少年は窓際で曙を眺めていた。
「春だな」
 少年は独り言のようにつぶやいた。ちょうど朝日が色の濃さを増し、少年の髪の毛から眉と順々にそのシルエットを浮かび上がらせていった。
「まだ二月ですよ」
 ハルカは目をこすり、ぼうっと少年のいるあたりに目を向けていた。
「いいや、春の色だ」
 少年の顔全体が日に照らされた。まぶしくて、その表情は見えなかった。


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テーマ:ショタ小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/02/15(水) 21:17:46|
  2. 短編
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バイの某大文学部生です。少年愛の美学、ショタの文学、美少年と少年美、「艶」の定義についてなど日々考察中。

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